渋谷区道玄坂, 性病科/泌尿器科/婦人科/皮膚科, 安心の保険診療
子宮頸部とは、子宮の下部1/3の管状部分で、内子宮口から外子宮口までの部分を言います。
子宮頚部は、膣管を通じて外界と連続していてかつ腹膣内にも連続しているため感染性の病気が特に重要となります。
a)帯下の増加および臭気
帯下の異常は婦人科における最も一搬的な訴えで、常に感染症を疑うことが大事です。病気の種類によって、帯下が特徴的な事も多く、カンジタ症であれば酒かす状、トリコモナス症であれば泡沫状帯下などと一般的に考えられますが、これにあてはまらないケースも多く、検査にて原因を確認することが大事です。
b)接触痛(性交時痛)
接触時、頚部に炎症があると性交時に疼痛を訴える事があります。また、性交時出血や不正性器出血を来すこともあります。
c)発熱
一般的に頚部に限局した炎症の場合は、発熱を来すことはありません。しかし、炎症が頚部より広がっている場合には、発熱が見られることがあります。また、ヘルペス症などでは高熱を来す例もあります。
a)特異的な微生物による感染
b)非特異的微生物による感染
c)アレルギーによるもの
d)外的刺激による炎症
e)膣壁の萎縮による炎症
a)鏡検
帯下をスライドグラスにとり、観察する。清掃度と共にトリコモナス、カンジタ等の診断を行います。しかし、鏡検によって、全例診断がつくわけではありません。
b)細菌培養
帯下を培養して細菌の有無を確認します。一般細菌や淋菌等が主なターゲットです。
c)クラシジア抗原
クラシジアに対する特異的検査で、子宮頚管内の探過細胞を検体として用います。
d)ウイルス分離、培養
ヘルペス感染症が強く疑われる時に病変部の探過物を専用のグラスに塗布してウイルスの検出検査を行います。DNA法やPCR法を用います。
e)血清抗体価
抗原検査陰性であっても、クラシジマ感染症やウイルス感染症が強く疑われる時には、血清抗体価の測定を行います。しかし、血清抗体価が陽性であってもすでに抗原が消失している場合もあり、血清抗体価の消失にはかなり時間を要するため、判定には注意が必要となります。
f)細胞診
ヘルペス感染症では、細胞内にて合胞性多核、核内封入体が認められ、診断的価値は高いと考えられます。また、頚管炎の症状がある場合、子宮頚癌との鑑別診断を行うため行う場合もあります。
治療は各生物に効果のある薬物の膣内剤や内服薬の投与を行います。抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗原虫剤を用います。
子宮頚管内膣を被う円柱上皮部分は、子宮膣部で膣壁からの扁平上皮と接する構造を有しています。この接合部分が頚管内から外反して外側に広がっている状態を子宮膣部ひらんと呼びます。この自体は特に問題はありませんが、機械的な刺激に弱いため、細菌感染やSTD(性病)感染を起こしやすいのが注意点です。
ほとんどが無症状です。しかし、びらん面が大きい物や感染を伴うものでは帯下の増加や臭気、それに伴う外陰部のかゆみなどが生じることがあります。また性交時に痛みや出血を訴えることもあります。
子宮膣部ひらんそのものの診断は比較的容易です。視診のみで診断がつくことがほとんどです。しかし、細菌感染やSTD(性病)感染の可能性のある場合は、鏡検、細菌培養等を行います。また、この部分は特に子宮頚癌の発生しやすい場合であるので、子宮頚癌との鑑別のために細胞診を行います。
子宮頚癌などの明らかな病気を除外し、帯下の増加、臭気、性交時出血を繰り返す時は、治療の対象となります。
a)薬物治療
感染症がある場合は、感染菌を特定して、抗生物質の内服または膣剤の投与を行います。カンジタ症、トリコモナス症に対しては、それぞれ抗真菌剤、抗原虫剤の投与を行います。
a)手術療法
感染の治療によっても帯下や性交時出血等の症状が改善しない場合に行います。凍結療法やレーザー療法が用いられます。
子宮頚部にできる悪性腫瘍を総称して呼ぶことが多いです。婦人科悪性腫瘍の中でも最も頻度が高い病気です。
子宮頚癌は、女性生殖器の悪性腫瘍の中で最も頻度が高く、約50%に達する病気です。しかし、最近では、患者数、死亡数とも減少傾向にあり、女性の癌による死亡の原因では、1970年の第2位から1990年には第8位となっています。また、癌検診の普及によって、1993年の統計では、臨床進行期O期、およびI期の早期癌の割合が子宮頚癌全体の65%以上を占めるまでになっています。
子宮頚癌の患者数は、40歳代に多いですが、O期、I期の早期癌は、30歳代に多く、III期以上の進行癌の割合は60歳代に多いというデータがあります。また、最近では20歳代に子宮頚癌の増加傾向もあり、若年層に焦点をあわせたスワリーニング検査が大事だと考えられます。
子宮頚癌の発生部位は、子宮頚部の扁平上皮と円柱上皮の接合部である扁平円柱上皮境界(SCJ)とされています。ここに繰り返し刺激が加わり、刺激因子が蓄積すると発癌に到る可能性が高いと考えられます。子宮頚癌が多妊娠や多産婦に多く、また複数の性パートナーをもつ女性に多いことから、子宮頚癌と性交為、STD(性感染症)との関連が昔から注目されてきました。とくに性感染症(STD)の1つであるHPV(ヒトパピローマウイルス)との関係は特に重要と考えられています。しかし、HPV感染自体は、正常女性の約20%に見られるもので、HPV感染だけで癌が発症するわけではないと考えられています。
早期癌では、ほとんど無症状であることが多いですが、浸潤や転移が進むといろいろな症状も引き起こすことがあります。
a)不正性器出血
性交時や性交とは全く関係なく、月経時以外に出血が見られることで、腫瘍の出血容易性が原因です。しかし、癌ではなくても不正性器出血が見られることも多く、あわてず検査を受けてもらうことが大事です。
b)下腹部痛・腰痛・性交時痛
下腹部痛の主な原因は、腫瘍により子宮頚管が狭窄して、子宮膣内に分泌腋が貯留し、ここが細菌感染を起こした事により、膿の排出が妨げられ、発熱を来たし、下腹部を来すケースです。また、このため陣痛様の痛み(Simpton微候)が起こることもあります。腫瘍が広がり、骨盤内神経に及ぶと下腹痛を訴える事もあります。
c)血尿・下血
腫瘍が膀胱や直腸へ浸潤した場合に認められることがあります。
基本的に悪性腫瘍の確定診断は組織学的に行います。(組織診)しかし、その前段階として視診や融診、細胞診等の検査も大事となってきます。
a)視診(膣鏡による)
肉眼的に癌が確認できる場合もあります。この場合、その大きさや広がり、形態についてよく観察することによって診断します。
b)細胞診
子宮膣部のびらん面とその周囲から綿棒等を用いて、擦過した細胞を採取して行う診断法です。(擦過細胞診)一般的に行われている子宮頚癌のスワリーニング検査とは、この細胞診のことです。細胞診の判定法にて、パパニコロウクラス分類という分類法が用いられます。細胞異型の程度によってクラスI〜Vの5段階評価で診断します。
細胞診にてクラスIIIの以上のケースを要経過観測として癌の可能性があると判断された場合には組織診を行います。
c)組織診
組織診で異常がある場合、癌の可能性があると判断された場合に行います。病変部分を特定し、その部位より組織を採取します。この組織診によって子宮頚癌の確定診断がなされます。
直行期や転移等によって変わってきますが、上皮内にある場合には、円錐切除等の手術が行われ、浸潤癌の場合には癌の広がりの程度により、単純子宮全摘術から骨盤内臓器全摘術まで様々です。また、放射線療法や化学療法も行われます。
ここでは詳しい説明は省略します。
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